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差押えが禁止される親族法上の義務に係る債権とは?

 2009-03-29
Q.差押えが禁止される親族法上の義務に係る債権とは?

A.夫婦間の協力及び扶助の義務,婚姻から生ずる費用の分担の義務,子の監護に関する義務及び扶養の義務に基づいて発生する金銭の支払いを請求する債権のことをいう。



差押禁止債権とは・・・

【民事執行法 第152条】
3 債権者が前条第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における前2項の規定の適用については、前2項中「4分の3」とあるのは、「2分の1」とする。


上記152条3項のとおり,前条第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権については,その2分の1部分が差押禁止債権とされています。 つまり,残りの2分の1だけ差し押さえることができるということです。

給料退職金等の債権は,その4分の3部分が差押禁止とされていますが,上記の債権については,2分の1だけが差押禁止となっていることに注意が必要です。



前条第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権とは・・・

【民事執行法 第151条の2】
1 債権者が次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において,その一部に不履行があるときは,第30条第1項の規定にかかわらず,当該定期金債権のうち確定期限が到来していないものについても,債権執行を開始することができる。
① 民法第752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
② 民法第760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
③ 民法第766条(同法第749条,第771条及び第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
④ 民法第877条から第880条までの規定による扶養の義務


では,「前条第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権」とは何かと言うと,上記民事執行法第151条の2第1項第1号から第4号(①から④)に規定されている義務に基づいて発生する金銭の支払いを請求する債権のことです。

簡単に言うと,①の夫婦間の協力・扶助義務に係る生活費等の請求権,②の婚姻費用分担義務に係る婚姻費用支払の請求権,③の子の監護義務に係る養育費等の請求権,そして④の親族間の扶養義務に係る生活費等の請求権のことをいいます。

これらの義務に基づく債権は,給料や退職金に比べれば直接生活の糧となるというほどのものではありませんですが,やはり債務者やその家族の生活の基盤となる収入であることは間違いありません。 そこで,これらも半分は差押禁止とされているのです。

ちなみに,民法の家族に関する規定のことを「家族法」といい,上記条文が含まれている親族に関する部分をさらに「親族法」と呼ぶことがあります。
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差押えが禁止される退職金等の請求権とは?

 2009-03-27
Q.差押えが禁止される退職金等の請求権とは?

A.「退職手当及びその性質を有する給与に係る債権」の4分の3相当部分の請求権のことをいう。



差押禁止債権とは・・・

【民事執行法第152条】
2 退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については,その給付の4分の3に相当する部分は,差し押さえてはならない。


上記の退職金等の債権は,その4分の3部分が差押禁止債権であるとされています。 逆に言うと,上記債権については,4分の1だけしか差押えができないということです。



退職手当及びその性質を有する給与に係る債権・・・

退職手当とは,いわゆる退職金のうち一時金として支払われる金銭のことをいいます。 退職年金ではありません。

退職手当は,報酬等の後払いや功労金の性質を持つと言われていますが,こういう性質を持つ金銭であれば,名称が退職手当であろうと,退職金であろうと,給与であろうと,やはり差押禁止債権となります。




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差押えが禁止される給料等の請求権とは?

 2009-03-25
Q.差押えが禁止される給料等の請求権とは?

A.「債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権」及び「給料,賃金,俸給,退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権」の4分の3部分を請求する権利のことをいう。




差押禁止債権・・・

【民事執行法 第152条】
1 次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは,政令で定める額に相当する部分)は,差し押さえてはならない。
 ① 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
 ② 給料,賃金,俸給,退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権


上記の債権は,いずれもその4分の3部分が差押禁止債権であるとされています。 逆に言うと,これらの債権については,4分の1だけしか差押えができないということです。




①の債権・・・

上記条文①の債権とは,等の公的機関から継続的に受給している支給を請求する債権です。 例えば,国民年金生活保護等です。

これらの給付は生活に欠かせません。 そのため,これらの全部を差し押さえてしまっては,受給者の生活が成り立たなくなってしまいます。

特に年金や生活保護は,受給者にとって唯一とも言える収入源である場合が大半です。 まさに,生命線です。

そのため,これらの給付を受給する債権は,差押禁止債権とされているのです。




②の債権・・・

上記条文②の債権とは,要するに,給料等の請求権です。 これも言うまでも無く,生活の基盤となる債権です。

給料賃金俸給・・・いろいろな呼び方があるかもしれませんが,つまりは,雇用の対価として受ける金銭のことです。

退職年金とは,退職金の一種です。 通常の退職金と異なるのは,一時金として支払われるのではなく,年金という形で定期的に分割金を受給することができるということです。 ちなみに,両者を区別して,「退職一時金」と「退職年金」ということがあります。

賞与とは,いわゆるボーナスです。 給与等のように定期的に給付されるものではありませんが,やはりこれも,雇用の対価としての性質を持っているのが普通です。

これらの債権も,その4分の3部分は差押禁止債権とされています。

ちなみに,名称は異なっても,給料等,退職年金又は賞与と同様の性質を持っている給付を請求する権利は,差押禁止となります。




柱書の意味・・・

前記民事執行法の規定の柱書をみると,括弧書きとして「(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは,政令で定める額に相当する部分)」は差し押さえてはならないと規定されています。 これはどういう意味なのでしょうか?

結論から言うと,例えば,上記差押禁止債権の4分の3が「標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額」を超える場合には,差押禁止の範囲が4分の3ではなく,「標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額」に限定されてしまうということです。

例えば,毎月1回のペースで60万円の給料をもらっている人が差押えを受けたとします。 この場合,本来であれば,差し押さえられるのは15万円だけのように思えますが,上記括弧書きによって,差し押さえられる範囲が「60万円-標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額(33万円)=27万円」を差し押さえることができるようになるということです。





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民事執行法上の差押禁止債権とは?

 2009-03-22
Q.民事執行法上の差押禁止債権とは?

A.民事執行法第152条によって,差押えが禁止されている債権のことをいう。



差押禁止債権とは・・・

【民事執行法 第152条】
1 次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
 ① 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
 ② 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権
2 退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の4分の3に相当する部分は、差し押さえてはならない。
3 債権者が前条第1項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における前2項の規定の適用については、前2項中「4分の3」とあるのは、「2分の1」とする。


見てもらえればお分かりかと思いますが,差押えが禁止されている債権は,生活していく上で是非なければならない債権ばかりです。

こういう債権を差し押さえられてしまうと,まったく収入が無くなって生きていくことすらできなくなります。 そういう事態が発生するのを防ぐため,上記の各債権は差押禁止とされているのです。



差押禁止債権の種類・・・

上記条文のとおり,一口に差押禁止債権とは言っても,いろいろな債権があります。 共通していることは,いずれの債権も,生活に必要不可欠な債権であるということです。

民事執行法上の差押禁止債権は,以下のとおりです。

 ・ 国等から受給している継続的給付に係る債権の4分の3
 ・ 給料等の請求権の4分の3
 ・ 退職金等の請求権の4分の3
 ・ 民事執行法第151条の2第1項に掲げる義務に係る債権の2分の1






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